ただ勝てばいいのか。
日大アメフト部の悪質タックルが社会問題化している。
名門中の名門の部活動で露呈した前近代的ともいえる独裁体制。
そこに鎮座する指導者の前に 、選手たちは服従せねばならなかった。
ただ勝つために、彼らはそれを受け入れるしかなかった。
ただ勝つために、自らの意思は必要とされなかった。
ましてや、推薦入試や特待生として大学に入学した学生ともなれば、
なおさらのことだったろう。
今 、マスコミはこの悪質な反則行為が監督の指示によるものだった
のかどうかを中心に番組を盛り上げている。
多くの著名人たちもSNSを通じて様々なコメントを寄せている。
各々好き勝手に物申している。
そんな中、問題となった選手の会見が行われた。
「反則行為は監督の指示によるものだった」と。
この勇気ある行動と発言にネット上でも多くの称賛の声が上がった。
彼は自分を支配していた巨大な権力に自らの意思を貫いた。
彼は自由になった。
皮肉にも大好きだったはずのアメフトをやめることとひきかえに。
人生100年時代。 彼の今後は本当に長い。
ただ勝つことより、正々堂々と生きることを選んだこの二十歳の
青年にエールを送りたい。
「本物の不死鳥たれ」