国民栄誉賞・・・・・「広く国民に敬愛され、社会に明るい
希望を与えることに顕著な業績があった者についてその
栄誉をたたえる」
この度、サッカー女子ワールドカップで優勝した
日本代表『なでしこジャパン』にその授与が決まった。
これまでに18人が受賞しており、団体としての受賞は
今回が初めてとなる。
この国民栄誉賞、最初の受賞者は『世界の王』こと、
王 貞治氏。
最初の受賞者というよりも、王選手(当時)の偉業
(ホームラン世界記録更新)を称えるためにこの賞は誕生した。
王さんは現役時代、国政選挙の日に担当記者から
「選挙には行ったのですか。」 と 尋ねられ、
「俺には選挙権はないよ。」と、
笑って答えたらしい。
王さんは中国籍(台湾)なのだ。
そしてそれは現在においてもそうである。
高校時代には春のセンバツで、優勝投手になるも、
秋の国体には日本人ではないとの理由で
出場が認められなかった。
その彼が、国民栄誉賞第一号であり、WBCでは日の丸を
胸に闘った。
海外メディアから、
「あなたは日本人ですか。」と訊かれ、
「父は中国人だが、母は日本人です。私は生まれたときより
日本で育ち、日本の教育を受け、日本のプロ野球人として
人生を送ってきました。疑うことなく日本人です」と答えている。
それでも、日本に帰化しようと思ったことは一度もないらしい。
作家鈴木洋史氏によれば、
「自負、自尊心が、自分の生活が有利になることを考えて
籍を変えることを潔しとしないからだ」(『百年目の帰郷』)
現在もなお、国民栄誉賞の受賞者要件に
「日本国籍を要する」の文言はない。