身長170cm、スポーツ選手としては小柄すぎるその男は、・・・
小学5年生のとき、両親が離婚。母子家庭故に生活は苦しかっ
たという。
小学6年生のとき、愛媛FCジュニアのセレクションを受けるが
不合格。その後反抗期と重なり、・・・
中学1年生のときは、しばしば部活をさぼりゲームセンターへ。
そのたびに顧問に連れ戻される。
そんな日々を繰り返し、・・・ やがて反抗期も落ち着き、・・・
中学3年、サッカーの強豪校、東福岡高校を受験。・・・
スポーツ特待でもスポーツ推薦でもなかったその男は、
それから9年後、世界一のサッカーのクラブチーム
「インテル」の55番を背負うことになる。
長友 佑都
以下 朝日新聞より
「子の将来のために自分の命も賭けた」
長友選手の母語る。
〈途中略〉
3年生になった長友選手は、母子家庭の母に苦労をかけた
くないとの思いから県内の高校に進学するつもりだった。
「お金のせいで子どもの夢をあきらめさせたくない」。
美枝さん(長友選手の母)は、
県外の名門校に行かせたかった。
親族は「サッカーで食べていくわけでもないのに」と
反対したが、美枝さんは長友選手の可能性を信じていた。
「佑都にとってこれが一番のターニングポイントになるはずだ」。
あちこちから奨学金を借りて進学の費用を工面。
結局、長友選手はサッカー名門の東福岡高校に進学した。
ふくれあがった借金に、美枝さんは長友選手に内緒で、
自分に生命保険までかけたという。「子どもの将来のために
自分の命も賭けたかった」と振り返る。
福岡に旅立った日の夜、
長友選手から美枝さんにメールが届いた。
「お母さんは自分のしたいこともせずに頑張ってくれた。
ありがとう」。
その時に、美枝さんは
「親があれをしなさい、これをしなさいと言わなくても分かっ
てくれるんだ。やり方は間違ってなかった」と実感した。
涙が止まらなかった、という。
〈以下略〉