荒れる成人式。平成生まれもまた、例外ではなかった。
公費の無駄遣いと思わざるをえない低モラルの若者達。
これでは納税者は報われない。
今、私の目の前にいる十五歳の若者に教えなければならないことがある。
「来月、君は義務教育を卒業する。誤解しないで欲しいことは、義務教育とは、親が子どもに教育を受けさせなけ
ればならないものであって、君が、義務を果たしたわけではない。君は、教育を受ける権利を行使したにすぎない。
その義務教育期間の九年間、学校の授業料は無償であった。言うまでもないが、無償というのは、『タダ』を意味する。
ここで考えて欲しい、本当にお金はかかっていなかったのか。
例えば授業中、無意識に落書きをした、君のモノと思い込んでいる 『机』 〈2万位か?〉、
体育の授業で使う『バレーボール』〈○千円位〉、
君に国語を授業する『先生』〈月給○十万円〉・・・・・・・・。
どれをとっても『タダ』ではないのだ。これら全ての費用は、周りの大人たちが税金という形で負担してくれたものなのだ。
だから、一つひとつの『モノ』を大事にしなければならない。
だから、しっかりと勉強をしなければならない。
だから、君は納税者である大人達に感謝をしなければならない。」
間もなく、通常国会で高校無償化法案は可決され、公立高校の授業料をも 『タダ』になる。
家計の経済的負担の軽減としては結構なことなのだが、誰一人として、子ども達に、感謝をすることを教えず、
教育費の無償化だけが先走りするのは極めて危険なことだ。
この世の中に『タダ』なものなどないのだ。
あるとすれば、君が親からもらった、君自身の『身体』。
だからこそ、自分自身を大切にしなければならないし、親に感謝をしなければならないのだ。