新型インフルエンザを予防するワクチンが開発された。
ワクチンとは、簡単にいえば、本物のウイルスから毒性を取り除いた偽物のウイルスと思えば良い。
これを体内に入れることで、免疫がつくられるわけである。(免疫とは、ウイルスに対抗する力)
WHO(世界保健機関)が、メキシコを発生源とした新型のインフルエンザにより57名が死亡し、今後、
アメリカ・メキシコを中心に全世界に大流行する可能性があると報告したのが今年4月。
日本の厚生省もこれを受け、感染者を水際で防ぐために国際線の空港で大げさとも思える検疫検査を行った。
このマスコミ報道で一時的ではあるが、薬局からマスクがなくなった。
当時の麻生内閣は異例とも思えるテレビによる政府公告(コマーシャル)で「冷静な対応を」と国民に呼びかけた。
福岡の小中学校で学級閉鎖が起こったのはそれより2ヶ月後の6月。
それから数か月、瞬く間に新種のウイルスは感染を拡大し、身近な症例となった。 日々増える学級閉鎖、学校閉鎖。
半年前のテレビのニュースが、気がつけば日常のものとなっている。
何よりもそのスピード。新型ウイルスに限らず、金融、経済、情報・・・。
海の外の話題は、いつの間にか、我々の身近で起きている。
そして、我々の裁量で処理しなければならないものになっている。
アメリカの金融危機に端を発した世界恐慌、長引く不況は未だ底を打つ気配を見せない。今月のアメリカの失業率は
約10%、これは一九八三年以来の悪化だそうだ。
その一九八三年、当時の大統領、レーガンは「経済衰退の原因は教育にある」とし、自ら組織した「教育の卓越に関す
る国家委員会」から、「危機に立つ国家」と題する報告書を提出させ、教育の大改革を断行した。
その報告書の内容とは、
「個性重視、自主性重視の教育がもたらしたものは、急激な学力低下を招いたばかりでなく、基本的な道徳をも身につか
せていない。これでは、国家は存続できない。まさに、国家の危機である」というもの。
この改革から二十年後、アメリカ経済は見事復活を遂げることになる。
しかしその十年後にはバブル経済故の、バブル崩壊となり、現在に至っている。
我が国の失業率は5%超。かつてのアメリカのような教育の大改革の必要があるのではないか。「経済衰退の原因は教育
にある」、もはや、ワクチンなどという予防では何の意味ももたない。
10年かかるか、20年かかるか。大手術が必要ではないだろうか。