アメリカに端を発する株の大暴落は、この数日凄まじい勢いで日本を直撃している。
10月10日の日経平均株価は約5年4ヶ月半ぶりの8300円割れ。
(1ヶ月前までは1万2千円台であった。)
新聞・テレビニュースでは「世界の金融危機」等の見出しを連日みかける。
この現象がこのまま進むと日本経済はどうなるのか。
輸出産業は大きく減少し、企業の操業が短縮・倒産があいつぎ、労働者の賃金引下げ・
人員整理による失業者の増大。
79年前、昭和4年の1929年、アメリカではじまった恐慌(株の大暴落)は
「世界恐慌」に発展した。
その後、わが国が暗黒の道を辿(たど)ったことはご承知のことだろう。
2008年平成20年、9月、第92代内閣総理大臣として麻生太郎内閣が誕生した。
福岡県出身の総理大臣としては広田弘毅(ひろたこうき)内閣(第32代)以来、
2人目の総理大臣である。
新首相は、麻生財閥の名門出身。
セメント会社の社長を前歴にもつ。 かたや、故広田弘毅は、ただの石屋のせがれ。
セメントと石。
名門と平民。
(広田弘毅の内閣総理大臣の在任期間は1936年~1937年:昭和11年~昭和12年)
その平民宰相(へいみんさいしょう)は、戦争回避に努めながらも、戦争を強行した軍人たちと
一緒に、東京裁判において死刑を宣告され処刑された。
裁判において、「理由はどうであれ、戦争を止められなかった責任は自分にある」として、
一切の弁解をしなかった。激動の昭和を生きた意志ある男であった。
平成の世、時代も社会システムも広田が生きた時と異なる。 平和な世だ。
セメント、原料は石灰岩。水で練ることで強度なコンクリートになる。
新首相は、この「金融危機」を ” どのようなもの ” で練るのか?
リーダーシップに期待したい。
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広田弘毅内閣、当時の外務大臣は、麻生太郎総理の祖父、
吉田茂であった。
吉田茂(よしだしげる)・・・・第45・48・49・50・51代内閣総理大臣
1951年(昭和26年)サンフランシスコ平和条約・日米安全保障条約
を結んだことは入試頻出。