大都会となった福岡も室見川を西に渡ればのどかな風景が残っている。
子ども時分の記憶の中にあるそれとはずいぶん違うが、
それでも露地に芽吹き色づく草花、差す光、
暖かい土の香りはその頃のものと何ら変わりない。
菜の花畑にモンシロチョウが舞う。
いにしえ人、清少納言は「春はあけぼの」と言ったが、
ぼんやり浮かぶ月のころもいとおかし。
文部省唱歌「おぼろ月夜」
作詞高野辰之、作曲岡野貞一
菜の花畠に入日薄れ
見渡す山の端霞深し
春風そよ吹く空を見れば
夕月かかりて匂い淡し
里わの火影も、森の色も
田中の小路をたどる人も
蛙のなく音も、かねの音も
さながら霞める 朧月夜
日本人なら誰もが歌ったことがあるであろう「おぼろ月夜」。
作られたのは約百年前の大正三年(一九一四年)
第一次世界大戦勃発の年だ。日本も参戦し、
中国に21カ条の要求を突きつけた。
この要求を屈辱ながらも受け入れた中国。
・・・そんな時代にできた歌だった。
・・・ウエザーニュースです。・・・
「明日の日本列島は、偏西風が強く、中国大陸より、
黄砂が飛来します。洗濯物には十分注意して下さい。」
春霞、おぼろ月夜、黄砂やったんかい。