むかしむかし、動物たちを集めて神様は言いました。
「来年の元旦にあいさつに来た1番から12番までをリーダーとする。」うわさを聞いたネコはネズミに尋ねました。
「元旦に神様のところへ行けばいいのだな」
「ちがうよ。二日の朝だ。元日は家でゆっくりしようよ」
「そうか。二日の朝か」、ネコは礼を言って帰っていきました。
大晦日にネズミがウシの家に行って中を覗くと、独り言を言っています。
「俺はのろまだから、今夜のうちに出かけよう」ネズミは、『にやり』と、ウシの背中にとび乗りました。
そうとは知らぬウシは神様のもとへと歩きつづけ、夜明け前に門の前につく事ができました。
朝日が昇り、神様が門を開けました。ウシが門をくぐろうとすると、背中からネズミが 『ぴょんっ』 と飛び降り、
神様から1番の番号札を貰いました。ウシは2番になってしまいましたが、
『気づかなかった自分が悪いし、2番なら十分だ』と考えました。
神様のお話の場に来ていなかったトラはうわさを聞き、千里の道をかけぬけて3番目に門をくぐりました。
そして、ウサギ、タツ、ヘビ、ウマ、ヒツジの順で門をくぐり、途中でサルとイヌが大げんかをし、トリが仲介にに入ってなんとかおさめました。
だから順番はサル、トリ、イヌ。 間違えて門を通り過ぎてしまったイノシシが12番目に間に合うことができました。
この日以来、ネズミに騙された猫はネズミを追いかけ回すようになったとさ。
ちなみに、この、中国をルーツとする干支は、日本だけでなく、多くの国が使っています。例えば、韓国、台湾、ロシア、ウクライナ、トルコ・・・。
日本では、ネズミに騙され、リーダーに慣れなかった猫も、チベット、タイ、ベトナム、ベラルーシ―、ブルガリアなどでは、干支に入っています。
来年の干支は、唯一、架空の動物のタツ。 辰年は政治的に大きな変化が多いと言われます。戊辰戦争、日露戦争など、また、政変の年とも言われ、
戦後5回しかない辰年のうちで3回も総選挙が行われました。ロッキード事件やリクルート事件といった汚職事件も辰年に発覚しています。
パーティー券での裏金疑惑の現政権与党も、それを火種に、消失しかけています。
まぁ、どうなることやら。