松井の説教部屋

    おもしろき こともなき世を おもしろく すみなすものは 心なりけり

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                     「人生、片道切符よ!」

2021年

師走と正月

師走。

12月を和風月名でそう呼ぶ。呼称は他にもある。

一年の最後の月ということから、

極月(ごくげつ・ごくづき)・・・何か怖そう!、

窮月(きゅうげつ)・・・お人形のイメージ!、

限りの月(かぎりのつき)・・・かっこいい!、どっかで使ってみたい!

また、一年を浄化する意味で、除月(じょげつ)・・・除夜と同じ考えか!

他にも、訪れる春を心待ちにする意味で、梅初月(うめはつづき)や

春待月(はるまちづき)・・・日本酒の銘柄になりそうな呼び方だ!

12月の異名をざっと挙げただけでもこれだけの言い方がある。

どの言葉も、日本人にしか理解できない趣があり、

日本人でもなるほどなと感心する言葉ばかりだ。

改めて日本語の奥深さに感心させられる。

師走。その最後の日を大晦日と呼ぶ。

・・・以降、お正月の歳時記を羅列・・・

日が明けて一月一日、新春・正月だ。・・・三日迄をそう呼ぶ。

ちなみに正月は大正月ともいう。対して小正月は十五日。

つまり大正月から小正月迄が正月なわけだ。

このことは現代日本人はほとんどが意識していない。

また、七日迄門松を飾るので、この期間を松の内という。

地域にもよるが、しめ縄もこの日迄飾るところが多いようだ。

太宰府で行われる神事、鬼すべも七日に行われる。

本来博多では、しめ縄は十五日の小正月迄飾る。

十一日には鏡餅を下げ食す、鏡割りが行われる。

正月。

何かと忙しい半月となる。

新年に希望を託す日本人の心がそうさせるのだろう。

脱炭素化(自動車の場合)と日本

日本政府は2035年までに、国内自動車を電動車のみにするという

目標を掲げ、本年4月に日本自動車工業会とも合意が成立している。

当然ながら、今後10年以内にガソリン車は激減し、EV車(電気自動車)

等の脱炭素カーが主流となるようだ。

これは地球的動きで、欧米での自動車のEV化は日本の数年先を行って

いる。この潮流の中、世界一の売り上げ台数を誇る自動車メーカーは

テスラ、かつて世界の自動車トップシェアを誇ったトヨタはトップ10

にも入っていない。ちなみに、トヨタ自動車の設立は1937年,84年の歴

史がある。対してテスラは会社設立が2003年、わずか18年の会社だ。

テスラは、アメリカ・シリコンバレーに拠点をおき、テクノロジー、

エネルギー分野、そして電気自動車に特化した急成長企業なのだ。数日

前この会社の時価総額が110兆円を突破した記事を新聞で見た。世界の

トヨタは33兆円、さらに、2021年度のわが国の予算・一般会計歳出は

106兆円。もはやその驚愕の大きさに言葉も出ない。

経済大国ニッポン、貿易立国ニッポン、輸出大国ニッポン。

今は昔の話である。

脱炭素化は世界の自動車市場の勢力図を塗り替えた。

今イギリスでは、岸田新首相も参加した気候変動による地球温暖化対策

の国際会議cop26が開催中だ。政治は三流と揶揄される日本。新首相は

世界にその存在をアピールできただろうか。

国民よりも選挙

短命に終わった菅政権。

自民党の次期総裁選に不出馬を表明したことに始まる

総理大臣の辞任劇だったのだが、腑に落ちない点が一

つある。総裁選に立候補しない理由が「総裁選より、

新型ウイルス対策を優先する。」ということだったの

だが、その新型ウイルス対策の本丸ともいうべき、

ワクチン担当大臣の河野大臣は真っ先に総裁選出馬を

表明した点がそれだ。内閣というものは、総理大臣を

頂点に、各大臣が一丸となって国の行政にあたるもの

と認識していたのだが、令和の時代になっても相変わ

らずの派閥闘争、選挙第一主義は何ら刷新されていな

い。

今回もまた、前時代のごとく、与党内の身内によるド

タバタ劇に国民は付き合わされる恰好となった。

結果的に自民党の新総裁には前政調会長だった岸田

文雄氏が当選し、自動的に内閣総理大臣に指名された。

そもそも、菅前首相の辞任理由を信じる国民は皆無

だろう。何の事はない、与党内部で、菅政権では、

10月の衆議院選挙に勝つ見込みがないと判断され、

首相以上の権力者らによってその幕を閉じさせられた

だけの話だ。菅内閣総辞職と同時にその首相以上の権

力者の一人も内閣から去った。

義理の弟を自分の後任に据えて。

君が代

日本国中が二分するほど、悩ましいオリンピック・

パラリンピックであったが、始まってしまえば、賛否

などどこ吹く風と、大いに活躍を見せた日本選手たち。

今大会、オリパラでの金メダルは総数40個。そして、

その金メダリストにだけ与えられる名誉、国歌の演奏。

日本国民はテレビ越しに流れる「君が代」に日本人と

しての自覚と誇りをもったに違いない。

 

昭和40年代、50年代に小中高の教育を受けた者にとって、

地域差はあるのだろうが、「君が代」は軍国主義の象徴のよ

うに教えられてきた。「君」は君主、つまり天皇、「代」は

世、「君が代」は天皇の世を称える歌であり、天皇に命を捧

げる歌であると。

 

史観は真実を変える。当然、戦時中はそのような解釈を国民

に刷り込んだのだろうが、戦後、民主国家になって55年の歳月

を経て、平成11年に国歌として法制化された「君が代」。

 

出典を平安時代の古今和歌集にもつこの歌の意味を探ってみ

ることにする。

 

君が代は
千代に 八千代に
さざれ石の
いわおとなりて
苔のむすまで

 

「君」本来の意味は、日本神話で最初に性別をもって生まれて

きた神様、男性は、イザナキ、女性はイザナミ、イザナは誘う

(いざなう:さそう)この最後の文字「キ」と「ミ」を合わせて

「キミ=君」、「君」は男と女であり、「君」は重なり合うこと

で(誘い合うことで)子を授かり、私たちが生まれる。

 

つまり、「君」とは、私たちそのものなのだ。

 

「君が代」とは、私たちの世。

「私たちの世」を「千代に八千代に」永遠に、

「さざれ石の」一人一人は小さくて弱いけれど、

「いわおとなりて」みんなで力を合わせ、一つになって、

「苔のむすまで」長い時間をかけ育てていこう。

「むす」は「生す」と書き、「子どもを養い育てる」という意味。

ちなみに、ムスコ、ムスメはここからきている。

 

 

思えば、平安の世に書かれた源氏物語にも「紫の君」など、

愛しき人に使われている「君」。

我が国の国歌は世界一短い恋の歌、恋文なのかもしれない。

 

鎮魂の月

日本人にとって八月は特別な意味を持つ。

☆☆☆ 広島、長崎   1945年(昭和20年)☆☆☆

76年前の8月、人類最初の被ばくを体験することになった。

原爆投下後一瞬にして、20万人以上の命が失われた。(推定で広島約 14万人、

長崎7.5万人。ちなみに、当時の広島市の人口は35万人、長崎市の人口は24万人)

また、昨年までに、原爆の後遺症で亡くなられた方も含めると、犠牲者の数は、

実に50万人以上にも及ぶ。繰り返すが、当時の広島・長崎の人口の合計は59万人だ。

75年かけて、両市全人口の85%が原爆によって荼毘にふしたことになる。

この地球上で、広島・長崎以外に核兵器による犠牲となった都市は存在しない。

 

☆☆☆ 終戦 ☆☆☆  長崎に原爆が投下された6日後、日本は連合軍に対し

無条件降伏をする。ポツダム宣言を受諾したことで、満州事変に始まる15年にわたる

戦争が終わった。日本の兵士、民間人の死者は310万人、その9割はこの前年以降、

つまり戦争最後の1年に亡くなっている。

 

☆☆☆ 日航機墜落事故  1985年 (昭和60年)  ☆☆☆

36年前の8月、明日からお盆に入ろうかという 12 日、史上最悪の航空機事故が発生した。

乗客乗員 524人のうち死亡者は520人、生存者はわずか4人であった。

 

日本人にとって八月は鎮魂の月。お盆もそうだ。

亡き御霊に手を合わせる月なのだ。

国をあげて運動会をやる月ではない。

欧米諸国はクリスマス時期に国家的大イベントなど絶対にやらない。

人災、またしても・・・

今年の梅雨も大惨事が起きた。静岡県熱海市で起きた土石流の発生がそれだ。

土砂に紛れ、なだれ落ちる家々、それらに飲み込まれてゆく車や電柱。

一瞬の出来事だった。被災地域の局地的集中豪雨は予測されていて、

避難を促しているところだったというが、高台ごと崩落するとは、

・・・まさかは起きた。

そして、まさかは人災だった。報道されている情報によれば、

高台の造成中に、土地所有者である不動産業者が市に申告した数倍もの盛土を

行ったというのだ。虚偽の申請をした業者も業者なら、監督者である行政も何

ということか。・・・。

知人の国交省の役人の話だが、虚偽の申請を見破るのは難しいらしい。タレ

コメば別らしいが、その筋が信用できるかどうかも重要らしい。結局、事が起

こってからの調査に任せるしかないのか。

 

現在放送中の  NHK朝ドラ【お帰りモネ】第33話の中で、西嶋秀俊扮する気象

予報士、朝岡が主人公モネに語る場面がある。

「…未来は平等に、誰にも分かりませんよね。でも、気象は分かります。

今、私たちの頭の上で起きている気象現象は数日前、南の海や北の大陸で起き

た現象に必ず起因しますから。だから、それを分析すれば、未来に何が起きる

かが分かります。つまり気象においては、危険を予測し、回避する時間が得ら

れる。これが我々のリードタイムです。私たちが全力を尽くして提供するのは、

大切なものを守る時間です。」

静岡県熱海市の人災、発生から1週間が経つ。死者10 名。20名近い行方不明

者の捜索は続いている。

オリンピック ~やりたい放題~

オリンピックの開会式まで2ヶ月を切った。

菅首相は「安心・安全な大会は可能」と言うが、

その根拠については一切の説明がない。
オリンピックに合わせるかのような、緊急事態宣言の再発令、

そして延長。

急ピッチで進むワクチンの接種も、

「オリンピックありき」では? そう勘ぐってしまう。

本来は、国民の命を守ることが先で、オリンピックはその次だ。

順番が逆だったのではないか。

その間に膨らんだ諸経費は1兆6千億円。

未だ、観客数の上限や無観客での開催等、

大会運営の方針は明らかになっていない。
そんな中、5月26日の衆議院の委員会で、

オリンピックの43会場の派遣スタッフは、

民間企業である人材派遣会社「パソナ」のみの

独占契約になっていることが発覚した。

しかも、一人当たりの日当は35万円。

日本国民もなめられたものだ。

大会を成功させたいと純粋に願うボランティアの

人たちをばかにしている。

話は変わるが、東京オリンピックの開催期間は

7月23日 ~ 8月8日(パラリンピックはその約2週間後)

1年の中で一番暑い時期だ。なぜ、わざわざ猛暑の中での日程なのか。

それは、IOC(国際オリンピック委員会)の一番の収入源である、

アメリカのテレビ局の意向によるもので、

9月に開幕する人気スポーツ、アメリカンフットボールの視聴率と

バッティングさせないためだ。また、ヨーロッパにおいても、

この期間であれば、サッカーの欧州選手権や各国のリーグと

重なることがないのも理由の一つと言えよう。

いずれにしても迷惑な話である。

国家と命  それでも中止できない人たちに思うこと。

5月7日現在、首都東京は緊急事態宣言下にある。

オリンピックの開幕は、7月23日。

福岡も 12日から緊急事態宣言が発出される。

オリンピック2ヶ月前にして、緊急事態宣言にある都府県は6、

まん延防止措置がとられている道県は8、計14。

これは日本の都道府県の30%にあたる。

それでもオリンピックは開催されるらしい。

本当は、関係者みんな、分かっているはずだ。

「できるわけないだろう。」と。

新型ウイルスは変異し、感染拡大が止まらない。

そういう状況が続いている。

それでも、オリンピック関係者は誰も言わない。

本当は分かっているのに。
先日、菅義偉首相は首相官邸で記者会見し、

「ゴールデンウィーク期間中、国民の皆様に

短期集中の措置をお願いしたものの、新規感染者数は

大都市部を中心に高い水準にあり、大阪、兵庫などでは

病床の逼迫(ひっぱく)が続いているほか、

感染力が強いとされる変異株も拡大を続けている」ことを理由に、

緊急事態宣言の延長及び福岡、愛知も含めると発表した。

総理大臣は、完全に分かっている。

それでも言わない。

もう戻れないのだ。
戦時中政府が、本土決戦に備え、女性たちに竹やりの訓練を強いた時のように・・・・。

《敗戦が濃厚になった昭和19年、時の東条内閣は日本全土に非常事態宣言を発令し、

「一億玉砕」のスローガンを掲げた。※玉砕とは、国の名誉のために潔く死ぬこと。》

「思考力」「判断力」「表現力」

大学入学共通テストを実施する独立行政法人「大学入試センター」が

今年度以降赤字に陥り、2024年度で約13億円の赤字が出ると

試算しているらしい。少子化による共通テストの志願者減が原因で、

「このままでは実施が困難になる」とのこと。

故に国に公的資金援助を求めることや、検定料等の引き上げも視野に

入れているのだということなのだが・・・。

どうもこの組織は経営改善という言葉を知らないみたいだ。

そもそも、少子化は今に始まったことではない。受験生が減少するならば、

それに見合った経営のスリム化をするのが常識。無駄な経費を洗い出し、

片っ端から切り詰めていく。場合によっては減給、役員自らの給与、賞与カットは当然。

これが中小零細のみならず一部上場企業を含めた一般企業の道理。

受験生減とはいえ、毎年 50万人からの検定料が得られるわけなのだから、

十分に黒字化はできるはず。

黒字化してもらわないと困るのだ。

我々塾人は毎年、この組織が準備した試験会場に教え子を送り出している。

そこで彼らはこの組織が用意した問題と戦う。人生をかけてだ。

だから、ちゃんとやってもらわないと困る。

さて、今年から始まった共通テスト。

国が目指す「思考力」「判断力」「表現力」を試すべく、問題文が長いのが特徴だ。

 

以下は総務省ホームページにある 「独立行政法人」とは、から引用

… (独立行政法人通則法)第2条 …

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

この法律において「独立行政法人」とは、国民生活及び社会経済の安定等の

公共上の見地から確実に実施されることが必要な事務及び事業であって、

国が自ら主体となって直接に実施する必要のないもののうち、民間の主体に

委ねた場合には必ずしも実施されないおそれがあるもの又は一の主体に独占

して行わせることが必要であるもの(以下この条において「公共上の事務等」という。)

を効果的かつ効率的に行わせるため、中期目標管理法人、国立研究開発法人

又は行政執行法人として、この法律及び個別法の定めるところにより設立さ

れる法人をいう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

一文で書かれた上の文、理解できただろうか。

共通テストでは「思考力」「判断力」「表現力」を土台にした、高速処理能力が求められる。

おぼろ月よ

大都会となった福岡も室見川を西に渡ればのどかな風景が残っている。

子ども時分の記憶の中にあるそれとはずいぶん違うが、

それでも露地に芽吹き色づく草花、差す光、

暖かい土の香りはその頃のものと何ら変わりない。

菜の花畑にモンシロチョウが舞う。

いにしえ人、清少納言は「春はあけぼの」と言ったが、

ぼんやり浮かぶ月のころもいとおかし。

 

文部省唱歌「おぼろ月夜」

作詞高野辰之、作曲岡野貞一

菜の花畠に入日薄れ
見渡す山の端霞深し
春風そよ吹く空を見れば
夕月かかりて匂い淡し

里わの火影も、森の色も
田中の小路をたどる人も
蛙のなく音も、かねの音も
さながら霞める 朧月夜

日本人なら誰もが歌ったことがあるであろう「おぼろ月夜」。

作られたのは約百年前の大正三年(一九一四年)

第一次世界大戦勃発の年だ。日本も参戦し、

中国に21カ条の要求を突きつけた。

この要求を屈辱ながらも受け入れた中国。

・・・そんな時代にできた歌だった。

 

・・・ウエザーニュースです。・・・

「明日の日本列島は、偏西風が強く、中国大陸より、

黄砂が飛来します。洗濯物には十分注意して下さい。」

春霞、おぼろ月夜、黄砂やったんかい。