発生から24年がたった阪神淡路大震災。犠牲者は6434名。
その多くは建物の倒壊などによる圧迫死だという。
こうなれば、地震による被害【天災】ではなく人による被害【人災】だといえる。
この悲劇を教訓に、国は2度に渡り、法改正を行い、「耐震改修促進法」を充実
させてきた。しかし、現状、耐震化は遅れている。
「天災の被害を大きくするのは人災である。」
80年以上も前に出版された「天災と国防」で、寺田寅彦はそう指摘した。
彼は明治、大正、昭和を生きた。私たちは、平成の終焉に生きている。
そして、3ヶ月後には新しい時代を迎える。
時代の変遷とともに、私たちは、【安心】【安全】を求め続けてきた。
だからこそ忘れてはいけない警句がある。
「天災は忘れたころにやってくる。」
平成7年1月17日に発生した阪神淡路大震災の時、
「神戸で大きな地震は起きない」と、誰もが思っていた。
その十年後の3月に発生した福岡県西方沖地震の時も、
福岡市民は、福岡で大地震が起こるなどとは夢にも思っていなかった。
シェークスピアは言う、
「安心、それが人間のもっとも身近にいる敵である。」と。