松井の説教部屋

    おもしろき こともなき世を おもしろく すみなすものは 心なりけり

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                     「人生、片道切符よ!」

2019年

阪神淡路大震災から24年

 発生から24年がたった阪神淡路大震災。犠牲者は6434名。

その多くは建物の倒壊などによる圧迫死だという。

こうなれば、地震による被害【天災】ではなく人による被害【人災】だといえる。

 この悲劇を教訓に、国は2度に渡り、法改正を行い、「耐震改修促進法」を充実

させてきた。しかし、現状、耐震化は遅れている。

「天災の被害を大きくするのは人災である。」 

80年以上も前に出版された「天災と国防」で、寺田寅彦はそう指摘した。

 彼は明治、大正、昭和を生きた。私たちは、平成の終焉に生きている。

そして、3ヶ月後には新しい時代を迎える。

 時代の変遷とともに、私たちは、【安心】【安全】を求め続けてきた。

だからこそ忘れてはいけない警句がある。

「天災は忘れたころにやってくる。」

 平成7年1月17日に発生した阪神淡路大震災の時、

「神戸で大きな地震は起きない」と、誰もが思っていた。

その十年後の3月に発生した福岡県西方沖地震の時も、

福岡市民は、福岡で大地震が起こるなどとは夢にも思っていなかった。

 シェークスピアは言う、

「安心、それが人間のもっとも身近にいる敵である。」と。

 

平成 三十一文字

 平成三〇年を表す漢字は「災」。

確かに、自然災害に見舞われた一年だったように思う。

豪雨、台風、地震、噴火。そして、そこから露呈する人為的被害。

道路、河川の護岸・建築物等、国が定める基準通りだったのだろうか。

そう疑わしくなる光景をテレビは映し出していた。

 年が明け、3日目となる昨夜も熊本で震度6の地震があった。

耐震偽装等での人災による被害が出てなければよいが・・・。
 

 被害に遭われた方々にはお見舞いを申し上げます。

 「天災は忘れた頃にやってくる。」と戒めたといわれるのは、

物理学者で随筆家でもあった、寺田寅彦。夏目漱石が英語教師として

赴任した熊本五高(現熊本大学)時代の教え子だ。

その寺田博士の言葉である。
 
 「疑うがゆえに知り、
        知るがゆえに疑う。」

 動き出した、短き平成三十一年に希望を託そう。
 
  
  「好きなもの
       イチゴ珈琲花美人
            懐手して宇宙見物」
                     寺田寅彦