今年の梅雨も大惨事が起きた。静岡県熱海市で起きた土石流の発生がそれだ。
土砂に紛れ、なだれ落ちる家々、それらに飲み込まれてゆく車や電柱。
一瞬の出来事だった。被災地域の局地的集中豪雨は予測されていて、
避難を促しているところだったというが、高台ごと崩落するとは、
・・・まさかは起きた。
そして、まさかは人災だった。報道されている情報によれば、
高台の造成中に、土地所有者である不動産業者が市に申告した数倍もの盛土を
行ったというのだ。虚偽の申請をした業者も業者なら、監督者である行政も何
ということか。・・・。
知人の国交省の役人の話だが、虚偽の申請を見破るのは難しいらしい。タレ
コメば別らしいが、その筋が信用できるかどうかも重要らしい。結局、事が起
こってからの調査に任せるしかないのか。
現在放送中の NHK朝ドラ【お帰りモネ】第33話の中で、西嶋秀俊扮する気象
予報士、朝岡が主人公モネに語る場面がある。
「…未来は平等に、誰にも分かりませんよね。でも、気象は分かります。
今、私たちの頭の上で起きている気象現象は数日前、南の海や北の大陸で起き
た現象に必ず起因しますから。だから、それを分析すれば、未来に何が起きる
かが分かります。つまり気象においては、危険を予測し、回避する時間が得ら
れる。これが我々のリードタイムです。私たちが全力を尽くして提供するのは、
大切なものを守る時間です。」
静岡県熱海市の人災、発生から1週間が経つ。死者10 名。20名近い行方不明
者の捜索は続いている。